改質器やコスト問題などはブレークスルー(技術上の突破)で切り拓いていかねばならず、収赦していくのは相当先になると見ている。
それでも、燃料電池車には夢があり、技術屋としてはやり甲斐がある。
何とかモノにしていかねばならないし、競争というよりも可能性への挑戦だ。
確かに、伝統的なものをひきずっていたのを発想転換したことで、活性化につながったとは思う。
NBC(ニュー・ベーシック・カー)のヴィッツ、ファンカーゴ、bBなどの開発に当たっては、危機感を持って取り組んだ。
このNBCが大きな分岐点となって、さらに新型カローラの開発につながった。
トヨタの開発陣にとっても、NBCへの取り組みが大きな変革のきっかけにもなった。
商品企画機能が大きく動いたし、デザイン機能も欧米のデザインサテライトスタジオの積極活用などで、発想を切り換えることができた。
安全性は、自動車メーカーの宿命とも言えるものであり、いろいろな角度で取り組んでいる。
電子制動力配分制御機能付きの「横滑り防止装置(ABS)」の実用化も現在進行中だし、ITSの社会システムにおけるクルマの進化という意味でも、行政と手を携えて取り組んでいく。
外資系企業の日本進出が加速化している今、日本の自動車業界地図も一気に塗り変わった。
現在、大手で純粋に国産メーカーと言えるのはトヨタとホンダだけという状況だ。
ここでもトヨタは「自分の城は自分で守る」姿勢を堅持し、逆に世界市場へ打って出る。
一九九八年八月、トヨタ自動車はダイハツ工業への出資比率を、三四・五%から五一・二%に引き上げて子会社化することを発表した。
「出資比率が三分の一では独立した企業同士となるため、共同で進める事業が制約されるが、二分の一以上になれば一体となって事業を進めることができる」記者会見の席上で、ダイハツ子会社化の理由を聞かれて当時のCトヨタ自動車副社長は明快に答えた。
軽自動車を主力とするダイハツだが、軽自動車市場ではスズキがトップの座を堅持し、万年二位に甘んじていた。
軽自動車は世界的に見て日本特有のものだが、根強い保有層がいる。
それらをどうトヨタ陣営に取り込んでいくかが焦眉の急だった。
また、低燃費の小型車が世界的に重視されている流れの中で、ダイハツとの連携を強めることがグローバル戦略に欠かせないと判断したことも理由の一つだ。
ダイハツとしてもこれにより、「トヨタグループの中で軽自動車というジャンルを責任を持って確立し、小さいクルマで世界のどこにも負けない企業にしていきたい」との方向性を明確にしている。
事実、ダイハツの軽自動車販売は一九九八年、一九九九年、二○○○年と三年連続で最高を更新する勢いを見せ、軽自動車トップのスズキに肉薄している。
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